レスピーギ リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲 シチリアーナ

イタリアの作曲家/指揮者、音楽学者のオットリーノ・レスピーギ(*)による「リュートのための古風な舞曲とアリア」(Antiche danze ed arie per liuto)の第3組曲 第3曲となるのが「シチリアーナ」。オリジナルは16世紀末の作者不明の曲をレスピーギがアレンジしたものです。

*(Ottorino Respighi, 1879–1936)

「リュートのための古風な舞曲とアリア」は、3つの組曲(それぞれ4曲ずつ)として構成されています。
もともと古い楽器である「リュート」向けだった曲を、弦楽を中心とした合奏用に編曲しなおしたものです。

今回の楽曲のタイトルとなっている「Siciliana」、イタリア西南の地中海に位置する場所にシチリア島がありますが、この地域には中世にはシチリア王国がありました。後にイタリア王国に統合され、現在ではシチリア州に。
この地方に伝わる哀愁を帯びた8分の6、あるいは8分の12拍子の、多くはマイナー(短調)の舞曲をベースにしていたり、シチリア風の(A la Siciliana)テーストによって創られたり、さまざまな作曲家による楽曲にこのタイトルが付けられています。

「Siciliana」はイタリア語表記。フランス語では「Sicilienne」と表記されています。

IMSLPプロジェクトによる楽譜の参照、入手(PDFファイル)はこちらから

リムスキー・コルサコフ シェヘラザード 第3楽章「若い王子と王女」

  • 第一楽章「海とシンドバットの船」
  • 第二楽章(8:45)「カランダール王子の物語」
  • 第三楽章 (20:50)「若い王子と王女」
  • 第四楽章 (30:30)「バグダットの祭り、海、船は青銅の騎士のある岩で難破、終局」

妻の不貞を目の当たりにしてしまった事で女性不信となってしまった王が、一夜を過ごした女性を次々と殺してしまうようになり、これを止めるために大臣の娘であるシェヘラザードが自ら王の元に嫁いで、千夜にわたって毎晩王に物語を語り続け、ついには人を殺すのを止めさせたという「千夜一夜物語」。

リムスキー・コルサコフによるこの楽曲はアイススケートの音楽としても数多くの選手により採り上げられています。

交響曲と同様に4つの楽章から構成されるこの楽曲の中で、主題となるバイオリンのソロはシェヘラザードが王に毎晩寝床で聞かせるおとぎ話を語り始めるシーン。

・・・ということで、このソロは麗しいコンミスに弾いてもらいたいものですが、上の演奏はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団であるだけに団員は性がほとんど。残念ながらコンマスによるものです。(^_^;;;

特に、第3楽章の「若い王子と王女」(上の動画では20分50秒あたりから始まります)がとても美しく、途中から小太鼓のリズムに乗って展開する舞曲も現れて、まさにドラマティックな変化も楽しめる構成です。

楽譜はこちらの国際楽譜ライブラリープロジェクトからPDF形式で入手可能です。

この楽譜ライブラリーの「Arrangements and Transcriptions」タブにあるようにバイオリンとピアノ向けに編曲もされているようです。

平原綾香さんはこの曲にも歌詞をつけて歌っていたんですね

フォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」からシシリエンヌ

フランスのガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré)は美しい楽曲を多数作曲しています。
私が好きなフォーレの作品がいくつもある中で、学生時代にこの曲を吹きたくてフルートを始めたという想い出の曲です。
元々は、作品番号78番としてチェロとピアノのために作られた曲のようですが、後に「ペレアスとメリザンド(Pelléas et Mélisande)」という劇中で用いるために編成の中に組み入れられ、その中から抜粋した5つの楽曲が管弦楽組曲(作品80)として今日でも演奏されているようです。

チェロとピアノ版はこちらで観れます

約20分の演奏時間となる組曲版はYouTubeではこちらで観ることができます。(9分52秒あたりから第4曲のシシリエンヌが始まります)

楽譜はこちらの国際楽譜ライブラリープロジェクトからPDF形式で入手可能です。

王太子の弟ペレアスと王太子妃メリザンドによる禁断の恋の物語の中で、このシシリエンヌは第2幕でペレアスとメリザンドが泉のほとりで戯れる場面の前奏曲として演奏されたそうですが、憂いを秘めた旋律が、二人の恋の行方を物語っているようです。

なお、「ペレアスとメリザンド」はドビッシーが唯一完成させた歌劇でもあるようです。