ドボルザークによる2曲の美しい原曲を、ウィーン出身のヴァイオリニストであるクライスラーがアレンジした「スラブ幻想曲」(Slavonic Fnatasy)。
前半部は、ドボルザーク「ジプシー歌曲集」(作品55番)の第4曲の「Songs My Mother Taught Me」(我が母の教えたまいし歌)、後半は、同じく「ロマンティックな小品」(作品75番)の第1曲で構成されています。
ソプラノの独唱による「Songs My Mother Taught Me」が、これまたいい曲で、演奏会とかで間近で歌われた日には涙ちょちょ切れモノでございます。
このピアニスト「Daniel Barenboim」がまたイイ味を出しておりまして、私はこのように歳を取りたいものだと思っているところです。
「ロマンティックな小品」はと言いますと、優雅な旋律の中に、時折のぞかせる憂いの表情が一層の美しさを引き立てるような、優美な曲。
これら2つの名曲を、ヴァイオリニストならではの豊かな表現力で、新たな価値として蘇らせたこの楽曲。
「編曲」の素晴らしさを教えてくれる、名作の一つだと私は思っています。
IMSLPによる楽譜(PDF形式)はこちらから参照、ダウンロードが可能です。