シベリウス:悲しきワルツ


ヴェチェイによる悲しみのワルツグリエールの悲しいワルツに続く「Value Triste」シリーズ(?)第3弾は、フィンランドのジャン・シベリウス(Jean Sibelius:1865-1957)による作品44番。

フィンランド語で「死」を意味する「クオレマ(Kuolema)」と題する戯曲向けに、シベリウスが作曲した6曲の中の第1曲を、後に演奏会用に編曲した作品。日本語では「悲しきワルツ」、あるいは「悲しき円舞曲」として表記されています。

特に演奏の前半部は、とても繊細に演奏される曲なので、コンサートホールではちょっとした物音も立てないように気を使いながら、固唾を飲んで聴く楽曲の一つです。

この楽曲の元となった曲が流れる「クオレマ」の第一幕の物語は。。。

病床につく女性。幼い息子が見守る中、彼女はうなされながら舞踏会の夢をみる。彼女と息子を遺して先立った夫が現れ、一緒に踊る。しかしこの夫の幻は、彼女を死の世界へ誘う死神。
息子が目を覚ました時には、母親は息を引き取ってしまう。

メジャーなのかマイナーなのか、つかみどころがない不安定な音の重なりが不安を煽る。
しばらくすると、踊りだしたくなるような優雅なワルツが流れだす。
しかし、再び現れるのは、死に誘う舞踏のメロディ。

IMSLPプロジェクトによる楽譜(PDFファイル)はこちらから参照できます。

あ、サン=サーンスの死の舞踏が聴きたくなってきました。

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