レモ・ジャゾット:アルビノーニのアダージョ


2014年2月8日にNHK Eテレで放送された「ららら♪クラシック」のクライスラー特集の内容がとても興味深いものでした。
この中で、クライスラーが残した数々の名曲の中で、作曲者名を「昔の作曲家の作品」と偽っていたそうです。当時は絵画の世界もそうですが、新聞、雑誌における「批評家」の記事が、今以上に大きな影響を与えていたワケですね。当時の批評家たちの間では、名の通った作曲家の作品を評価する風潮があり、クライスラー自身の作品とすると記事として採り上げられることがなかったからのようです。

このような理由なのかどうかは分かりませんが、イタリアの音楽学者レモ・ジャゾット(Remo Giazotto:1910-1998年)がこの「アルビノーニのアダージョ」をバロック時代の作曲家トマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニ(Tomaso Giovanni Albinoni:1671-1751)による自筆の楽譜を元に編曲したとして発表し、好評を得たそうですが、実はそれは偽りであった事が後々にバレちゃったそうです。

この曲、ドラマやテレビ番組の中などでBGMとしても、よく使われる曲ですね。
「アダージョ」という名がついている通り、緩やかなテンポのこの楽曲の中は悲しい旋律が溢れています。
私には、悲しさの中にどっぷりと浸かっていたい時がたまにあります。
そんな時に聴く楽曲のひとつとなっています。

Comments

comments