ラフマニノフ:ヴォーカリーズ


ヴォーカリーズ=Vocaliseとは、歌詞はなく、”アー”とか、”エー”とか、”イー”などのように、母音だけで歌う歌唱法だそうで、「母音唱法」とも呼ばれているようです。

この歌曲には歌詞はなく、ソプラノまたはテノールのための「14の歌曲集」(作品34)の最後の曲となっています。

IMSLPによる楽譜(PDF形式)を見てみると様々な楽器での演奏向けの楽譜がありますが、YouTubeでも「Vocalise piano」などと検索すると、数多くのバリエーションが楽しめます。

多くの組み合わせの中で、私がいいと思うのは、やはりチェロ。
私が所有しているのはエレキ・チェロですが、購入しておよそ1ヶ月。
この曲の練習に取り組んでいる所です。

魂を揺さぶられるような感動を覚えるチェロの響き。
それは、ヒトの声に近いからなのでしょうか?

特に、この動画のソプラノ歌手Veronika Dzhioevaの穢れも淀みもない清らかな歌声には、新たな感動を覚えました。

聴く時の自分の状況、心情によって、ある時は癒され、ある時は慰められ、ある時は励まされる。。。
美しい旋律と音色/音声の力を再認識させてくれる、名作だと私は思っています。

パラディス ピアノ四重奏のためのシチリアーノ

マリア・テレジア・フォン・パラディス(Maria Theresa von Paradis:1759-1824)は、オーストリアのピアニスト/歌手で作曲家。今で言うところのシンガーソング・ライターといったところですかね。

幼児期に視力を失った彼女は、積極的にヨーロッパ各地での演奏ツアーに出向き、そのツアー中にピアノや声楽を中心に数々の作品をつくっています。

その中でも一番有名なのが、このシチリアーノ=Sicilienne。
しかし、後年に曲を発見したとされるサミュエル・ドゥシュキンによって作られたものであるとも言われており、今だ謎に包まれている美しい曲です。

このパラディスによるシチリアーノは、いくつかある同じ曲名の楽曲の一つとなりますが、短調ではなくメジャーの作品ということもあって、とても癒やされ穏やかに気分にさせてくれる曲です。

チェロによるバージョンも、とてもいいカンジです。

IMSLPによる楽譜(PDF形式)はこちらから参照、ダウンロードが可能です。