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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ 第二楽章(ワルツ)
ロマン溢れるチャイコフスキーが遺したワルツは、どれも優美な曲。
心を優雅に、華やかに、そして幸せな気分にさせてくれる、弦楽セレナーデの第二楽章。大好きです!
ブラームス 交響曲 第一番 第四楽章
子供の頃、初めてブラームスの交響曲 第一番を聴いたとき、冒頭の重々しい旋律とティンパニーの響きによって、葬式、死を連想してしまい、恐怖を感じてしまった事が今でも鮮明に思い出されます。
音楽室に飾られた肖像画も髭もじゃもじゃのオッカないオッサンという感じで、ブラームスの楽曲を受け入れることができませんでした。
大人になって、色んな経験を積むようになって、ようやくこの曲の良さが解りはじめ、第四楽章のこの場所(上の動画の38分40秒あたり)になると、涙があふれはじめ、この場所(41分10秒あたり)になってしまうと、嗚咽すら始まってしまいそうな勢いです。とても恥ずかしくて演奏会でこの楽曲を聴く事ができません。(^_^;
最初のポイントは、「アルペンホルンの主題」と呼ばれているそうで、恩師シューマンの妻、14歳ほど年上のクララへの想いが込められたメロディーと言われています。
クララの誕生日に、手書きの五線譜にこの旋律をしたため、「高い山から、深い谷から、あなたに何千回も(誕生日を祝う)挨拶を送る」という手紙を送ったそうです。
1855年、23歳の時に着想を持ち、以来20年の歳月をかけて完成されたこの交響曲。
さきほどの手紙を送ったのが13年後の1868年の事。
出版社からの催促を受けて、この交響曲へ本格的に取り組んだのは1876年。同年には初演がなされています。
音楽理論に基づいた、難しい解釈は色々ありますが、、ブラームスがクララのことを一途に愛し続けて、一生独身を通しています。
ブラームスの作品は、そのすべてがクララへの恋心から生まれているとも言われています。
純愛を描いた私小説を思わせる楽曲であるからこそ、これだけの感動を与えてくれるのかなぁ、などと思ったりしています。
リスト:愛の夢 3つの夜想曲 第3番
愛の夢(=Liebestraum)は、「3つの夜想曲」という副題がついており、有名なのは第3番。
愛の夢といえば第三番ばかりが演奏されていることが多いですが、実は第1番、第2番もあります。
第3番は「おお、愛しうる限り愛せ」。
コード奏法で楽曲を弾く私には、この曲は苦手。右手が伴奏で左手がメロディーというのができなくて。
実は、左右逆転して弾いています。
さて、この曲、元々は、ソプラノのための独唱歌曲として書かれた作品だそうで、その後ピアノバージョンとして編曲されたそうです。
・・・ということで、歌詞があって、歌曲バージョンの中でも日本語字幕付きのものがありました。
歌詞は、ドイツの詩人フェルディナント・フライリヒラート(Ferdinand Freiligrath:1810-1876)による詩集「Zwischen den Garben」から「O lieb, so lang du lieben kannst!(おお、愛しうる限り愛せ)」の詩が用いられています。
この曲の解説ページがあったので引用させていただきます。
「おお、愛しうる限り愛せ O lieb, so lang du lieben kannst!」から始まる詩は、恋愛のことではなく、人間愛をうたったもの。
「あなたがお墓の前で嘆き悲しむその時は来る。だから、愛しうる限り愛しなさい。自分に心を開く者がいれば、その者の為に尽くし、どんな時も悲しませてはならない。そして口のきき方に気をつけなさい、悪い言葉はすぐに口から出てしまう。『神よ、それは誤解なのです!』と言っても、その者は嘆いて立ち去ってしまうだろう」という内容
でも、私には、やっぱり恋愛の曲に思えます。
こんなにもロマンチックで、美しい旋律、そして音の響き、愛する人を思い描きながら作曲し、捧げたいですもん。
これだけの名曲、チェロバージョン、ヴァイオリンヴァージョンなどもありました。
IMSLPプロジェクトによる楽譜(PDF)の参照、入手はこちらから
レモ・ジャゾット:アルビノーニのアダージョ
2014年2月8日にNHK Eテレで放送された「ららら♪クラシック」のクライスラー特集の内容がとても興味深いものでした。
この中で、クライスラーが残した数々の名曲の中で、作曲者名を「昔の作曲家の作品」と偽っていたそうです。当時は絵画の世界もそうですが、新聞、雑誌における「批評家」の記事が、今以上に大きな影響を与えていたワケですね。当時の批評家たちの間では、名の通った作曲家の作品を評価する風潮があり、クライスラー自身の作品とすると記事として採り上げられることがなかったからのようです。
このような理由なのかどうかは分かりませんが、イタリアの音楽学者レモ・ジャゾット(Remo Giazotto:1910-1998年)がこの「アルビノーニのアダージョ」をバロック時代の作曲家トマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニ(Tomaso Giovanni Albinoni:1671-1751)による自筆の楽譜を元に編曲したとして発表し、好評を得たそうですが、実はそれは偽りであった事が後々にバレちゃったそうです。
この曲、ドラマやテレビ番組の中などでBGMとしても、よく使われる曲ですね。
「アダージョ」という名がついている通り、緩やかなテンポのこの楽曲の中は悲しい旋律が溢れています。
私には、悲しさの中にどっぷりと浸かっていたい時がたまにあります。
そんな時に聴く楽曲のひとつとなっています。
シベリウス:悲しきワルツ
ヴェチェイによる悲しみのワルツ、グリエールの悲しいワルツに続く「Value Triste」シリーズ(?)第3弾は、フィンランドのジャン・シベリウス(Jean Sibelius:1865-1957)による作品44番。
フィンランド語で「死」を意味する「クオレマ(Kuolema)」と題する戯曲向けに、シベリウスが作曲した6曲の中の第1曲を、後に演奏会用に編曲した作品。日本語では「悲しきワルツ」、あるいは「悲しき円舞曲」として表記されています。
特に演奏の前半部は、とても繊細に演奏される曲なので、コンサートホールではちょっとした物音も立てないように気を使いながら、固唾を飲んで聴く楽曲の一つです。
この楽曲の元となった曲が流れる「クオレマ」の第一幕の物語は。。。
病床につく女性。幼い息子が見守る中、彼女はうなされながら舞踏会の夢をみる。彼女と息子を遺して先立った夫が現れ、一緒に踊る。しかしこの夫の幻は、彼女を死の世界へ誘う死神。
息子が目を覚ました時には、母親は息を引き取ってしまう。
メジャーなのかマイナーなのか、つかみどころがない不安定な音の重なりが不安を煽る。
しばらくすると、踊りだしたくなるような優雅なワルツが流れだす。
しかし、再び現れるのは、死に誘う舞踏のメロディ。
IMSLPプロジェクトによる楽譜(PDFファイル)はこちらから参照できます。
あ、サン=サーンスの死の舞踏が聴きたくなってきました。
グリエール:Valse Triste(悲しいワルツ)
ヴェチェイによる「Valse Triste」に続いて第二弾は、Reinhold Gliere(1875 – 1956年)による「6 Morceaux pour 2 Pianos, Op.41」(2台のピアノのための6品:直訳)の中の2番めとなる曲。
2台のピアノで演奏するとなると、私の身近なところではピアノの先生の家しか思い浮かびません。
そんなことはさておき、ウクライナのキエフ出身の作曲家レインゴリト・グリエールによるこの作品は、悲しみの中に浸る曲というよりも、短調ながらも美しい旋律によって癒される曲です。
ラフマニノフ:ヴォーカリーズ
ヴォーカリーズ=Vocaliseとは、歌詞はなく、”アー”とか、”エー”とか、”イー”などのように、母音だけで歌う歌唱法だそうで、「母音唱法」とも呼ばれているようです。
この歌曲には歌詞はなく、ソプラノまたはテノールのための「14の歌曲集」(作品34)の最後の曲となっています。
IMSLPによる楽譜(PDF形式)を見てみると様々な楽器での演奏向けの楽譜がありますが、YouTubeでも「Vocalise piano」などと検索すると、数多くのバリエーションが楽しめます。
多くの組み合わせの中で、私がいいと思うのは、やはりチェロ。
私が所有しているのはエレキ・チェロですが、購入しておよそ1ヶ月。
この曲の練習に取り組んでいる所です。
魂を揺さぶられるような感動を覚えるチェロの響き。
それは、ヒトの声に近いからなのでしょうか?
特に、この動画のソプラノ歌手Veronika Dzhioevaの穢れも淀みもない清らかな歌声には、新たな感動を覚えました。
聴く時の自分の状況、心情によって、ある時は癒され、ある時は慰められ、ある時は励まされる。。。
美しい旋律と音色/音声の力を再認識させてくれる、名作だと私は思っています。
フォーレ:夢のあとに (Après un rève)
フォーレの楽曲としてまず一番に思い浮かぶのがこの「夢のあとに=Après un rève」。
チェロをはじめ、ヴァイオリン、フルート、ピアノのソロなどでも演奏されるこの曲。どれも素敵なのですが、私はチェロで演奏されるものが一番好きです。
目をつぶりながら、夢の中を彷徨うように弾く姿がいいなぁと。
また、自分で演奏するにもチェロの響きがこの曲に合っているように思えます。
この曲、もともとは歌曲として作られた曲なんですね。
歌曲集「3つの歌」作品第7番の1番目の曲となっています。
歌詞がこちらのページに載っていたのでリンクさせていただきます。
IMSLPによる楽譜(PDF形式)はこちらから参照、ダウンロードが可能です。
ピアノソロ向けにアレンジした楽譜もあって、弾いてみたらなかなかこちらもいいカンジでした。
ドボルザーク – クライスラー:スラブ幻想曲
ドボルザークによる2曲の美しい原曲を、ウィーン出身のヴァイオリニストであるクライスラーがアレンジした「スラブ幻想曲」(Slavonic Fnatasy)。
前半部は、ドボルザーク「ジプシー歌曲集」(作品55番)の第4曲の「Songs My Mother Taught Me」(我が母の教えたまいし歌)、後半は、同じく「ロマンティックな小品」(作品75番)の第1曲で構成されています。
ソプラノの独唱による「Songs My Mother Taught Me」が、これまたいい曲で、演奏会とかで間近で歌われた日には涙ちょちょ切れモノでございます。
このピアニスト「Daniel Barenboim」がまたイイ味を出しておりまして、私はこのように歳を取りたいものだと思っているところです。
「ロマンティックな小品」はと言いますと、優雅な旋律の中に、時折のぞかせる憂いの表情が一層の美しさを引き立てるような、優美な曲。
これら2つの名曲を、ヴァイオリニストならではの豊かな表現力で、新たな価値として蘇らせたこの楽曲。
「編曲」の素晴らしさを教えてくれる、名作の一つだと私は思っています。
IMSLPによる楽譜(PDF形式)はこちらから参照、ダウンロードが可能です。
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ヴァイオリンの弦の響きだからこそジーンと来てしまう。
「あ” あ” 好いたらしいぃ~~~!」
(注)ここで言う「好いたらしい」とは、その昔、テレビ朝日の番組「タモリ倶楽部」内の一つのコーナーで昼メロドラマをパロって演じられたドラマの中で、決めゼリフのように使われ、狂おしいほどに切ない女性への想いを、タモリが演じる男性が発していた言葉です。いつも終わりはすれ違い・・・というオチだったのでありました。
・・・という、好いた女性への燃え上がる熱情として受け止めて、聴いています。 これは私が男だから勝手に思い込んでいるのですが。。。
甘酸っぱい情動を抑え切れない・・・というくらいに熱情を込めて弾いていただきたい曲なのであります。 若いコではなく、恋の酸いも甘いも経験した男性に。
サン=サーンスによるこの曲は、当時、親しかったスペイン出身のヴァイオリニストでツィゴイネルワイゼンでお馴染みのサラサーテに捧げられたとのこと。
情熱的なフラメンコのような舞曲風のロンド、そして美しく甘く切ない旋律。
私が子供の頃にN響の演奏会に行った時、元コンマスの海野義雄さんによるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲がメインだったのですが、アンコールか何かで弾いてくださった、この曲の印象が強烈に残っています。
この曲、ドビッシーがピアノ向けにアレンジしており、私もピアノで弾いてみましたが、やっぱりヴァイオリンがいいですね。
この正月から始めたヴァイオリン、一月ほど音階練習に徹してきたのですが、耳コピーで最初の16小節だけ、ここ数日、何回も弾いて一人で悦に入っております。
IMSLPによる楽譜(PDF形式)はこちらから参照、ダウンロードが可能です。