パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第2番 第三楽章「鐘のロンド」


ヴァイオリンの超絶技巧奏者として名声を誇ったイタリアのニコロ・パガニーニ(Niccolò Paganini:1782-1840)はヴァイオリンだけでなく、ヴィオラ奏者、ギタリストであり、作曲家として多くの作品を産みだしています。

盗作が横行した当時の事、楽譜は演奏会の数日前にようやく配布し、演奏後、楽譜はすべて回収した徹底ぶり。死の直前に楽譜のほとんどを焼却してしまったこともあって、現存している楽譜は、彼の演奏を実際に聴いた人たちによって譜面として書き起こされたものがほとんどだそうです。

ヴァイオリン協奏曲は、実際には12曲書いたようですが、現在でも世に伝わる楽譜は6曲。
その中でも第2番は有名で、特に第三楽章は「ラ・カンパネラ=鐘」、「鐘のロンド」として親しまれています。
もちろんヴァイオリンの超絶技巧のオンパレード。

当時、「パガニーニの演奏技術は、悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」とまで言われたほど。
実際、私が子供の頃、この第2番を演奏会でホールの前から5列目くらいの席で初めて観た時、あまりの凄さに、呆気に取られたとを鮮明に覚えています。

パガニーニの曲の中に出てくる超絶技巧には、まるでヴァイオリンが歌っているように感じてしまうことが多々あります。まるでイタリアオペラを観ているように。

パガニーニの演奏会を訪れたピアニストのフランツ・リストが感銘を受けて「自分はピアノのパガニーニになる!」と言い、超絶技巧の腕を磨いたということは有名な話。

そんな事もあってか、この「ラ・カンパネラ」を「パガニーニによる超絶技巧練習曲集の第3曲」、「パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲」、「パガニーニによる大練習曲」としてアレンジした作品を遺しています。

次の動画は、幼い頃から神童と評され、現在でも世界的に活躍しているEvgeny Kissinによる「リスト:ラ・カンパネラ」です。

私が5年に1度くらい、気まぐれでピアノで弾く”なんちゃって”ラ・カンパネラは、右手高音部を割愛したもの。とても他人に聴かせられるものではありませんが、リストのバージョンではなく、「パガニーニ – (自分の名前)ラ・カンパネラ」とした大いなる変奏曲としてしまえばいいのですね(苦笑)

この他にも、パガニーニによる楽曲はブラームス、リスト、シューマン、シュトラウス、ラフマニノフなど数多くの作曲家に大きな影響を与え、その主題による変奏曲やアレンジした作品が数多く創られています。

IMSLPプロジェクトによる楽譜(PDF)の参照、入手はこちらから