サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ


ヴァイオリンの弦の響きだからこそジーンと来てしまう。

「あ” あ” 好いたらしいぃ~~~!」

(注)ここで言う「好いたらしい」とは、その昔、テレビ朝日の番組「タモリ倶楽部」内の一つのコーナーで昼メロドラマをパロって演じられたドラマの中で、決めゼリフのように使われ、狂おしいほどに切ない女性への想いを、タモリが演じる男性が発していた言葉です。いつも終わりはすれ違い・・・というオチだったのでありました。

・・・という、好いた女性への燃え上がる熱情として受け止めて、聴いています。 これは私が男だから勝手に思い込んでいるのですが。。。

甘酸っぱい情動を抑え切れない・・・というくらいに熱情を込めて弾いていただきたい曲なのであります。 若いコではなく、恋の酸いも甘いも経験した男性に。

サン=サーンスによるこの曲は、当時、親しかったスペイン出身のヴァイオリニストでツィゴイネルワイゼンでお馴染みのサラサーテに捧げられたとのこと。

情熱的なフラメンコのような舞曲風のロンド、そして美しく甘く切ない旋律。

私が子供の頃にN響の演奏会に行った時、元コンマスの海野義雄さんによるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲がメインだったのですが、アンコールか何かで弾いてくださった、この曲の印象が強烈に残っています。

この曲、ドビッシーがピアノ向けにアレンジしており、私もピアノで弾いてみましたが、やっぱりヴァイオリンがいいですね。

この正月から始めたヴァイオリン、一月ほど音階練習に徹してきたのですが、耳コピーで最初の16小節だけ、ここ数日、何回も弾いて一人で悦に入っております。

IMSLPによる楽譜(PDF形式)はこちらから参照、ダウンロードが可能です。